2023年の労働災害発生状況
休業4日以上の死傷災害の中で最も多いのは転倒災害で、全体の26.6%を占めています。墜落・転落と合わせると約42%に上り、足元に起因する事故が多く発生していることがわかります。
転倒災害の傾向
近年、転倒災害は増加傾向にあり2023年は3万6000人以上の死傷者が報告されました。
労働災害全体に占める割合も2009年以降20%を超えており、高水準で推移しています。
高年齢労働者と労働災害
高齢社会の日本では、労働者の高年齢化も進行しています。
労働災害の約半数が50歳以上の高年齢労働者によるもので、人数、割合共に増加傾向にあります。
50歳以上の転倒災害による死傷者数は50歳未満の約2倍に上ります。
また、高年齢労働者の労働災害の30%以上が転倒によるものです。
年千人率は、労働者1000人当たり1年間に発生する死傷者数を示す値で、労働災害が発生する可能性の高さを表しています。
高年齢労働者の年千人率はほとんどの事故の型において50歳未満よりも高くなっています。
特に転倒災害は約3.5倍と際立っています。
労働災害を減少させるためには発生件数が多く、発生率も高い転倒災害・高年齢労働者の労働災害への対策が重要です。
参考資料:
厚生労働省 <業種別事故型別労働災害発生状況 (確定値)>、 労働災害による死傷者数(死亡・休業4日以上)
中央労働災害防止協会 エイジアクション100 P.66